クライアントからの提案は多岐にわたり「こんなデザインできない?」と出てきたモノが布の切れ端。それを壁紙・床材にどのように具現化するかが企画の仕事だと思っていただければと思います。
まずは企画担当者が、どのような仕上げにするのかデザインの基本を決め、CGチームがその素材を元にデジタルデータ化します。指定された内容に近づけていくために試行錯誤を繰り返しながら、柄のパターン・サイズ・カラーバランス・多配色対応ができる版構成・エンドレス(継ぎ目のない)仕上げのための調整など、書き始めるとキリがないほどの内容を、ミス無くデータ化していかなければなりません。これがCGチームのなせる技!
次が製版チーム、データ化された柄模様を製品にするための「版」づくり。
企画の立場で感じる当社の最大の強みは、やはり社内に「製版」部門を持っていることだと思います。お客様へのご提案は、提案内容ももちろんですが、お客様の要望にいかに迅速のお応えできるか「スピード感」が大切なポイントとなってきます。
デザインを製品として試作するためには、印刷の元になる製版が絶対に必要で、この部門を社内に持っている会社は日本中見渡してもほとんどありません。非常に専門性の高い技術が必要なのが、その理由の一つです。この製版を社内に持ち、いつでも試作に応えられる体制こそ、お客様の要望をどこよりも迅速に形にすること可能にしていると自負しています。
試作といってもいきなり工場にて本番環境での生産をするのではなくラボ試作になります。
ここで初めてデータが製品になってお目見えするわけです。
この試作品を企画チームがクライアントに持ち込み更なるブラッシュアップ。この工程が何度となく繰り返されるのです。
ただし、その屋内には製版部門が稼動し、「ものづくり」の雰囲気が濃厚に漂っている。
パソコンに向かうもの、分厚いサンプル冊子を前に数人で意見を交わすもの、そしてパソコンそっちのけで横の机のもの同士、なにやら非常に楽しそうに会話を交わすもの。
もちろんデザインは中心となる大切な仕事ですが、実は実際の商品企画からスタートすることも多いものです。クライアントは常に新しいものを求めています。 次の時代に広く受け入れられる製品とは、あるいは市場が壁紙や床材に求めている機能とは、こうしたことをご提案しクライアントと共に考え表現し製品化していくことも、私たちの大きな仕事の柱となっています。
笑顔の談笑、2,3人で集まって趣味談議の様子も、なかなか言葉になりにくい企画のニュアンスを意思統一するために身に着けたコミュニケーション術、ということ。リラックスして集中する。この部署の風景にはそんな言葉が一番当てはまるかもしれない。